なごみの里福田 事業計画
1.中期事業目標
平成26年4月の施設運営開始から8年が経過しようとしています。そして、新型コロナウイルスによる感染が確認されてから2年が経過しました。この間、近隣の小学校や保育所園児による慰問・交流、地区の皆さんによるボランティア活動は引き続き自粛をお願いせざるを得ず、ややもすると閉鎖的な施設のイメージが持たれやすく、入居者ご家族への対応は、玄関先での感染対策を講じた意見交換や窓越し面会、タブレット面会のほか必要の都度電話連絡、定期的な近況おたよりを個別に届けるなど意思疎通に努めているところです。このコロナ禍の早期終息を願いながら地域との共存関係を深め、職員の確保、介護技術等の向上を図りつつ、適切な施設の維持運営に努めてまいります。
ユニットケアの目的である「一人一人の生活習慣や好みを尊重し、今までの暮らしが継続できるように」支援し、心がやすらぎ、居心地がよく、安定した生活を送ることができる、笑顔と賑わいで活気あふれるもうひとつのわが家づくりを目指します。
2.各事業所の中期目標
1)なごみの里福田(短期入所を含む。)
令和3年度の直近での稼働率は、入居は97.4%で平均介護度は4.1となっており、短期入所では87.4%で平均介護度は3.1となっています。入居者の平均年齢は、90歳2か月と高齢で入院等のリスクが大きくなっていることから、目標設定は慎重に見ていく必要があります。
施設入居については、一昨年末から新規入所前のPCR検査が必要となったことから、若干の日程調整が必要となりますが、利用希望に早期に応えられるよう努め、定員50人で1日当たり平均入居者48.5名の稼働率97.0%以上を目標とします。短期入所は定員10人で全室個室であることから比較的プライバシーを確保することができ、安らかな生活空間を提供できているものと考えます。利用希望に応えるためにも、空床利用を活用しながら1日当たり平均8.5人で稼働率85.0%以上を目標とします。
介護職員の配置については、運営に必要な人員のほか緊急対応や災害対応を考慮した柔軟性も含め、介護ケアの充実を図るため33名を目標とします。
2)福田デイサービスセンター
令和3年度の直近での稼働率は、64.7%で平均介護度2.2となっており、稼働1日当たりの平均利用者は16.2人となっています。施設は地域交流共有スペースが併設されており開放的な施設条件となっています。通所施設の有効活用を目指し介護の質の向上や個別ケアの推進で、利用者ごとに有為感、充実感・満足感等が得られるサービスに努めてまいります。
利用定員は、25人であり、利用登録者の固定、逓減傾向が伺われ経営環境は厳しさを増していますが、これまでの経過を踏まえ、稼働1日当たりの平均利用者数を17.5人、稼働率は70%を目標とします。
3.数値目標(短期目標)
区 分 |
なごみの里福田 |
短期入所生活介護 |
福田デイサービスセンター |
利用定員(人) |
50 |
10 |
25 |
稼働日数(日) |
365 |
365 |
258 |
稼働率(%) |
97.0 |
85.0 |
70.0 |
1日利用者数(人) |
48.5 |
8.5 |
17.5 |
利用延人数(人) |
17,702 |
3,103 |
4,515 |
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令和4年度 特別養護老人ホームなごみの里福田事業計画
1.事業計画にあたり
「個人が主体的に生活できるための環境づくり」は、なごみの里福田施設建設当初からの目標であり、施設介護にあっては拘束ゼロ、褥瘡ゼロを継続、オムツゼロ(日中帯)、骨折ゼロを目指し、認知症ケアの向上をに向けた情報・技術の習得と実践に継続的に努めてまいります。そして、これらの諸目標を達成・実現、そして維持するためには、介護の技術、知識とともに職員の高い倫理性が求められることから、職場内外の研修(リモートを含む。)の機会を通じて職員の技術・意識をさらに高め、さらなる水準の向上を目指し介護の質を上げていくよう努めてまいります。
そして、施設内外の多職種連携により入居者及び短期入所利用者の日常生活動作の維持向上を図り、それぞれが実感できる機能維持・増進を目指してまいります。特に、移乗移動方法の改善は、利用者のQOLの向上のみならず職員の介護負担(腰痛等の予防)の軽減にもつながるものであり、ケアプランにより介護現場での実践を行います。あわせて、関係する福祉用具の検討・活用に力をいれてまいります。
また、入居希望者の優先順序は新地ホームと共同で入所検討委員会により協議しています。短期入所利用者の希望ニーズを的確に把握・判断し、適正な調整や職員の健康管理を徹底しながら、安定した介護サービスが提供できるよう意識した事業運営をしてまいります。
〇施設サービス基本理念
人間尊重と尊厳をもった、利用者権利による自律支援サービスの提供と
あたりまえの暮らしの実現を目指します。
〇施設サービスの基本方針
1.入居者への尊重と尊厳をもったサービスを提供します。
1.入居者の権利と安全を最優先とした介護を実践します。
1.入居者と職員がともに笑顔になれる介護サービスを提供します。
1.介護サービスの質の向上と適正なサービスを提供します。
2.重点事業
1)生活環境整備
・施設周辺の整備を進め、入居者の生活環境の維持・改善に努めます。
・施設全体の不具合箇所等のチェックを強化し、補修整備に努めます。
・施設設備の適正な維持管理に努めます。
2)サービスの質の向上
・入居者の生活の継続性を重視し、安心・安全に配慮した介護サービス提供に努めます。
・身体拘束ゼロ、褥瘡ゼロ継続、オムツゼロ(日中帯)、骨折ゼロを目指し、認知症ケアの向上を図ります。
・個別機能訓練の取組みに努めます。
・職員の確保と資質向上、人材の育成に努めます。
3.委員会別活動計画
①感染症対策委員会
活動目標 感染症の発生を最小限にするため監視を強化し、清潔で安全な施設を提供します。
地域の感染実態を把握し、施設内の感染の予防と蔓延防止を目指します。
活動内容
◇施設内研修を行います。(感染症の基礎知識と施設における感染症の特徴を理解し、施設内感染を未然に防止する手段を習得する)
◇感染症対策委員会の決定事項を早急に周知し、啓発活動を行い実践できるようにします。
◇現場の感染防止対策の問題抽出と改善を図ります。
◇感染防止対策のマニュアルを、共通理解できるようにします。
◇日々の検温、マスク着用、手指消毒、日常触れる箇所の清掃・消毒の徹底を図ります。
◇「持ち込まない・持ち出さない・広げない」を基本に衛生意識の向上を図ります。
◇感染症を予防する体制を整備し、平常時から対策を実施するとともに、感染症発生時には迅速で適切な対応を図ります。
②リスク管理委員会
活動目標 入居者が安心して豊かな生活を築くため、法人すべての職員に危機管理意識向上に向けた取り組みを浸透させるとともに、安全かつ適切に質の高い介護を提供する体制の確立を目指します。
活動内容
◇部署毎の事故やヒヤリハット事例の検証
毎月の委員会にて事故発生状況と再発防止策について検証、及び検討を行う。再発防止策については、ユニットと連携しながら個々の利用者の生活状況に即した支援を実施していく。又、解決困難事例等においては適時カンファレンス行い対応を図っていく。
◇事故分析及び統計
部署ごとの統計をグラフ化、及びデータ化する事で多角的な視点からの分析を実施し再発防止等に活かしていく。統計は10月と4月に各ユニットに配布する。
◇研修会の開催
施設の内部研修計画に沿って介護事故予防に関する研修会を実施する。全体での確認が必要なものについては、随時各部署と連携し研修会を開催していく。又、リスク管理に関する研修に参加した職員には、復命も兼ねた勉強会を実施する。
感染防止対策が必要な状況においては、資料回覧形式での研修も行っていく。
◇リスク面から見た生活空間の見直し
施設内の危険箇所の情報収集、及び改善を図る。福祉用具や施設設備の不具合等による危険因子に関しては、環境設備委員会とも連携を図っていく。
③広報委員会
活動目標 利用者やご家族、地域の方々に情報を発信し、施設等に対する理解を深めていただくとともに、明るく親しみやすい広報誌を目指します。
活動内容
◇広報誌「たんぽぽ」を年4回定期発行し、利用者及びご家族、地域等に送付・配布します。
◇読み手の立場でわかりやすい言葉を使い、明るく親しみやすい広報誌を作成します。
◇プライバシー確認に関する同意書に基づき写真の掲載等を適切に行います。
④行事委員会
活動目標 季節を感じられる行事や日々のレクリエーションを行うことにより、入居者(利用者)の方々が楽しみや生きがいを持って、笑顔多く過ごしていただけるよう努めます。感染症対策が継続されるなか、安全を確保しながら提供できる行事内容について随時検討を行っていきます。
活動内容
◇季節に応じた施設内行事の充実を図ることで、入居者(利用者)の方々の活動参加の機会を促進し心身機能の維持や生活意欲の向上につなげます。
◇施設全体で行う大きな行事だけでなく、ユニット単位で行えるレクリエーションを企画するなどし、日々の生活の中で楽しみや良い刺激を得ていただけるようにします。
◇アンケートや聞き取り等による入居者(利用者)のニーズの把握を行い、得意なことや好きなこと、これまで行ってきたことなどを企画に取り入れるなどし、主体的に参加していただけるような活動を目指します。
◇感染症対策を継続しながら、入居者(利用者)の方々に楽しみや生きがいを感じていただける行事や地域の各種イベントの参加について模索し展開する努力をしていきます。
⑤機能訓練検討委員会
活動目標 個々の入居者が持っているその方の機能を少しでも維持できるように、身体機能に合わせた運動などを日々の生活の中でサポートする。
園芸については季節を感じながら心身の活性化が図れるように活動していく。
栄養士の協力を得て口腔ケア体操を実施する。
活動内容
◇季節に応じたレクリエーションや園芸を実施する事で利用者の方々の活動参加の機会を促進し心身機能の維持や生活意欲の向上につなげます。
◇ユニット単位で行えるレクリエーションを企画し、日々の生活の中で楽しみを作っていきます。
◇感染症対策を継続し実施して、利用者の方々に楽しみや生きがいを感じていただけるようなレクリエーションや運動を考え行っていけるように努めていきたいと思います。
⑥環境衛生・設備改善委員会
活動目標 福祉用具・施設設備をチェックリストに添った点検と整備を行い、入居者が安心して生活出来る、衛生的で快適な住環境作りを目指して意識向上に努めます。
活動内容
◇福祉用具・施設設備のチェックリストを、現状に合わせて見直しを行い、より良い保全を行えるように各部署に周知する。
◇施設内の見回りを定期的に行い、不具合がある時は直ぐに対応できるようにする。
⑦生活向上委員会
活動目標 職員一人一人が入居者の目線に立ち安心、安全に充実した生活が送れるように要望や想いを聞き取り外部研修の報告等を参考にするなどして、多職種と連携しながら職員の知識と技術の向上を目指します。
活動内容
◇勉強会の企画
職員の知識と技術の向上を目指しコロナ過でも感染防止に取り組みながら行なえる動画を使った勉強会を行っていく。
◇入居者生活満足度調査の実施
前年度の反省をふまえアンケートの内容や聞き取り方を検討する。集計し課題が見つかれば委員会、各専門職と意見を交わし改善に努めます。
◇マニュアルの見直し
マニュアルの作成は委員会が主体となり全職員と確認しながら作成するように努めます。
⑧給食委員会
活動目標 入居者及び利用者の身体状況や嗜好を把握し、適切な食事提供によって心身の健康の維持及び増進に努めます。季節感を感じ、食事が楽しみになるような献立作成に努めます。
活動内容
◇嗜好調査を実施し、入居者及び利用者のニーズ把握に努めます。
◇行事や喫茶店など、感染症対策を講じた季節を楽しめる企画を行います。
◇四季が感じられ、入居者及び利用者から喜んでもらえる食事提供に努めます。
4.職務分掌による活動計画
①介護支援専門員
活動目標 入居者の暮らしを支援するために、入居者をより深く丁寧に把握するための情報を収集し、自立支援に向けて、個別性のあるプラン作成を目指します。
ケアプランが、情報を共有するための機能を持つ事を意識し、関係職種が同じ方向を向いてケアできるようにすることを目指します。
活動内容
◇入居者や家族との関わりを積極的に保ち、意向をプランに反映させながら、具体的なニーズとその解決策を探り、自立支援に向けたプランの作成を行います。
◇各職種(専門職)と本人、家族を交えて担当者会議を開催し情報共有を図り、定期的なモニタリングとアセスメントによりニーズの見直しを図ることで個別的で実践的なプラン作成に繋げます。(本人、ご家族の担当者会議の参加は新型コロナ感染症予防対策によりその都度検討行う。参加困難時は、事前に本人、家族の意向確認を行いプランに記載する)
◇入居者や家族が自ら判断・選択できるように分かりやすい言葉で情報や判断基準を提供し、共有することでプラン作成に参加しやすくしていきます。
◇状態変化により現プランの遂行が困難になった場合には、ケアプラン内容を見直し、連携した対応ができるようにします。
◇ターミナルケアについては、医師や看護師、関係職種と連携を図り、本人や家族の意向に沿った尊厳ある看取りができるようにケアプラン(看取り計画書)に位置づけていきます。
◇身体拘束については、拘束廃止を基本に、他職種共同で情報収集を行い、常に拘束を未然に防ぐケア方法を検討します。
②生活相談員
活動目標 入居者(利用者)の尊厳の保持を土台とし、楽しみや安らぎを感じながらその方らしい暮らしが続けられるよう、より質の高いサービスの提供を目指します。感染症対策によって、入居者(利用者)の暮らしが閉塞的なものとならないよう、交流や活動参加の機会を設けるとともに、季節感のある施設内外の環境整備に努めます。
活動内容
◇入居者(利用者)及びご家族のニーズを的確に把握し必要な支援につなげられるよう、日々のコミュニケーションを積極的に図り信頼関係の構築に努めます。
◇ご家族及び関係職種との報告・連絡・相談等の必要な調整を行い、連携を強化することで目標の達成や課題解決の促進を図ります。
◇感染症を含めた各種安全対策に留意しながら、可能な範囲での外出機会を確保するほか、入居者懇談会等の開催による入居者同士の交流、施設の花壇や畑を活用した余暇活動の提供など、地域社会とのつながりや楽しみのある暮らしが提供できるようにします。
◇関係機関や他事業所との連携の強化及び、可能な範囲での各種実習やボランティアの受け入れにより地域の高齢者福祉の向上につなげます。
◇各種研修会への参加や勉強会の実施により、相談援助技術の向上や権利擁護の推進を図るなど生活相談員としてのスキルアップに努めます。
◇介護保険制度をはじめとする関係施策についての理解を深め、入居者(利用者)及びご家族への適切な説明と運用につなげます。
③看護師
活動目標 高齢者の特殊性を理解し老年看護に努めます。
利用者の高齢化と重度化に副った健康管理に努めます。
利用者の変化を的確に捉え速やかに対応できる体制作りを目指します。
活動内容
◇関係職種と連携を図り、利用者の情報と課題を共有化し、総合的に健康を管理します。
◇状態の変化に対応した速やかな受診を行い、重症化の予防に努めます。
◇栄養・水分・排泄状況を把握し、快適な生活維持や疾病予防のため早期対応に努めます。
◇マニュアルに添った適切な服薬管理業務の徹底を図ります。
◇感染症対策委員会との連携を図り、感染症、合併症予防について発症を未然に防止できるように対応します。(内部研修を行います)
◇施設内で医学的基礎や緊急時対応についての研修を行います。
④介護員
活動目標 職員の資質の向上を図り、より良いサービスの提供を目指します。
今までの暮らしを継続し、穏やかでその人らしい充実した生活を送り、笑顔になれるユニット作りを目指します。
活動内容
◇職員の資質・能力の向上、介護技術の研究・職員育成を行う。
・職員同士がより良い関係を構築し、明るい職場づくりを目指す。
・動画等活用した内部研修の開催、オンライン研修に参加
◇入居者の暮らしを保障する。
・24Hシート及びケアプランを一覧化し、職員間で統一されたケアが出来るようにする。
・本人の意向や状態を踏まえながら定期的に見直しを行う。
・入居者の暮らしが分かる記録、24時間シート及びケアプランに沿った記録の充実に努める。
◇余暇活動の充実を図る。
・各職種と連携して感染症対策に十分配慮しながら入居者の皆様が楽しみを持てるような活動を実施可能な範囲で行っていく。
・家族の面会は感染症のガイドラインに沿って随時調整を行う。
④ 管理栄養士
活動目標 入居者及び利用者の身体状況や嗜好を把握し、最適な食事提供によって健康の維持及び増進に努めます。季節を感じ、食事が楽しみになるような献立作成に努めます。
活動内容
◇食事摂取状況の観察、体重の推移等からその人に適した栄養ケアの提供に努めます。
◇季節感のある食事提供に努めます。
◇嗜好を把握し、入居者及び利用者の望む食事提供が行えるように努めます。
◇状態変化時に食事提供が速やかに行えるように厨房と連携を図ります。
◇摂取しやすい形態・自助具等の検討を行い、誤嚥の予防及び経口摂取の維持につなげます。
◇低栄養予防・改善のため、随時適切な栄養量が確保できるように支援し、栄養情報の提供を行います。
⑤ 管理・事務
活動目標 職員が安心安全に働けるよう、職場環境づくりに努めます。
活動内容
◇コロナ禍における情報収集に努め、適正な備品及び消耗品の在庫管理に努めます。
◇光熱費や消耗品の使用状況を把握し、適正な予算管理及び経費削減に取り組みます。